'生命保険のカラクリ'を読んだ
いま自分が入っている各種保険について、あまり今まで深く考えて来ずいわばノリでここまで来てしまったので反省も含めて読んでみた。
ライフネット生命の共同創業者の方が著者であることは読んでから知った。今は退任されているらしい https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44722550T10C19A5EE9000/
生命保険について
わが国の GDP(国内総生産)は約五五〇兆円である。四〇兆円はその七 ~八%にあたる。私たちは国で創出されたすべての付加価値の一割弱を、生命保険業界に再び還流させていることになる。
とても多くのお金が生命保険業界に流れているらしい。 人生において住宅の次に高い買い物と言われている。
生命保険商品には、大きくわけて次の三つの機能しかない。 ①いざというときに、残された家族のための所得保障 →遺族保障(死亡保障) ②病気・ケガによる入院・手術のための保障 →医療保障 ③将来に備えるため →生存保障(貯蓄・年金)
自分が死んだ時の遺族への保障、自分が負傷したときの自分への保障、自分が生きるための蓄え、の3つに簡単に分けられるという学び。 これがミックスされて売られていたり、一部は社会保障という形で税金から賄われていることもあったりするのでややこしくなっている。
保険会社が提供する保障に対しては、必ずその対価を払わなければならないというのが保険の原則である。保険に「無償のサービス」は存在しない。すべては自分が支払っているのである。
これは確かに。全て自分含めた利用者の支払い総額の中から提供されているだけ。
医療保険などの必要性
実際には、ほとんどのケースにおいて、医療費の自己負担額はそれほど大きくない。「高額療養費制度」という制度のおかげである。この制度によって、自己負担額には上限が設けられている。標準的な所得層の人であれば、ひと月当たりの自己負担の上限は一〇万円弱である。したがって、何百万円という医療費が仮にかかったとしても、原則としてひと月当たりは一〇万円前後でおさまる。
日本にはアメリカとは違い、公的医療保険に入っていれば高額療養費制度がありどんなに大きな怪我や病気(ガン含む)にかかってしまったとしても、一ヶ月の自己負担上限が設定されておりそれを上回ることはない。 民間医療や海外で先進医療などを受けようとする場合はまた別の話
サラリーマンであれば「社会保険料」が給与から天引きされているが、ここには年金保険や失業保険、健康保険などの保険料が含まれている。
税金として天引きされているお金が、実は上記の高額療養費制度はじめとした健康保険の3割負担であったり、一連の社会保障に当てられているという話 一方アメリカなどはこのような一元化された保証は弱く、民間保険に個々人で入るのがメジャーなので良くも悪くも民主化されている なので日本で暮らすならば大いに税金で払っている社会保障に乗っかり、自身で入る医療保険は最小限でいいのでは、というのが書かれていて納得
別で読んだ山崎元さんの本でも以下の通り民間のガン保険は不要と書かれていた
ちなみに、父は最近癌にかかったが、健康保険に加入していれば、民間のがん保険を使う必要はなかったと改めて確認した。 治療に掛かった費用は健康保険を利用すると、普通の貯金で十分に賄える金額だった。 つまり、「事後的には」がん保険に入っていれば入院費や交通費などが保険から出て、その方が得だった可能性はあるが、癌になるかどうかが分からない意思決定段階の「事前の問題としては」、がん保険は加入者側が損で保険会社側が儲かる賭けなのだから(確率は保険会社が考えて計算してくれている)、がん保険には入らないことが正解なのだ。 この「事前」と「事後」の区別が分からない人は、おそらく保険以外にも多くの分野で、「カモ」になり続けるにちがいない。
保険を再考する上での自分用のメモ
一、死亡・医療・貯金の三つに分けて考えよう
それぞれについて、実際にどれだけのお金が必要かを押さえた上で、どうやって備えるかを考える。また、複数の機能を一つにバンドルした商品ではなく、できるだけ単品で選ぶようにする。「保障と貯蓄は分ける」という観点から、満期金やボーナス金などがついていない、シンプルな保障商品を選ぼう。 ポイントは、「生命保険がすべてではない」ということ。国による保障(遺族年金、健康保険など)、企業の福利厚生(弔慰金など)、共済などの非営利事業を上手に活用して、そこで不足する部分のみを生命保険で補うようにしよう。 また、貯金こそが最大の備え(いつ、どんな用途に使ってもいい、手数料がかからないお金)になることを忘れずに、保険料を払いすぎるよりも、まずは堅実に貯蓄をしていくことを心がけよう。
貯蓄型の生命保険などはできる限り避けて、3つの観点からシンプルな商品を選ぶのが良さそう。 改めて貯蓄の自由度や将来性について考えることができた